トップ > CD / DVD > ファゴット > 石井淳(ファゴット):ハールストン ファゴット・ソナタ
ハールストンやカリヴォダといった、録音も稀少なオリジナル作品を含む興味深いアルバム。石井は、ドイツでH.ユンク、ヘルムート・ヴィンシャーマン、パウル・マイゼン等に師事し、帰国後は、ソロ活動のほか、神奈川フィル1stファゴット奏者、サイトウ・キネン・オーケストラ等に参加するなど、幅広く活躍している逸材。
ドイツで学び、帰国後、神奈川フィルのファースト・ファゴット奏者を務めながら、ソロ活動も行なっている石井淳のアルバム。夭折したイギリスの作曲家・ハールストンが書いた馥郁たるロマンが薫る佳作など、興味深い選曲を含蓄に富んだ歌い回しで奏であげている。
ファゴットのソロ・アルバムとは珍しい。特に19世紀前半に活躍したカリヴォダのオリジナル曲や、19世紀末のイギリスの作曲家ハールストンのソナタなどが珍しい。前者はいかにも初期のドイツ・ロマン派を髣髴とさせる軽みと明快さを持っている。後者は4楽章構成の古典的なソナタで、ファゴットのさまざまな表情と技術を聴かせてくれる。あとは編曲ものだが、グリンカの「悲愴三重奏曲」(クラリネットが加わる)が面白かった。石井は第一人者的存在で、ここでも確かなテクニックで誠実な音楽を聴かせている。 (田中明)
「CDジャーナル」データベースより
【曲目】
1-3. R.シューマン: 3つのロマンス Op.94
4-7. J.2.カリヴォダ: 変奏とロンド Op.57
8-11. W.ハールストン: ファゴット・ソナタ ヘ長調
12. H.デュティユー: サラバンドとコルテージュ
13-16. M.グリンカ: 悲愴三重奏曲 ニ短調
17. G.フォーレ: 夢のあとに
18. 18. J.S.バッハ: G線上のアリア
【演奏】
石井淳(ファゴット)
岡崎悦子(ピアノ)
伊藤寛隆(クラリネット)
合計収録時間 | 01:07:36